懲らしめて差し上げますっ!~じゃじゃ馬王女の下克上日記~
レベンツキー伯爵は、王家が右と言えば右を向き、左と指示すれば左に倣うタイプの人物で、扱いやすく、王家にとって危険人物ではない。
それまで領土の統治に問題があるという噂もなかった。
しかし三年ほど前に、レベンツキー領の近隣に住む貴族から、『なにかがおかしい』という情報が政府にもたらされた。
森林伐採が進んで、領地の一部はハゲ山となり、土砂崩れが発生して、麓に住む村人数人が亡くなったそうだ。
加えて物価が二、三割上昇し、町を出て近隣貴族の領地に移住しようとする民が増えたため、対処に困っているという情報であった。
それを聞いた国王は、早速、視察団を向かわせたのだが……。
山は確かに植林と伐採の均衡が取れず、寂しい有様となり、レベンツキー伯爵に指導を入れる事態となったけれど、町の異変は掴めなかったという。
板壁の家々が建ち並ぶ町は整然として、町の民は穏やかな暮らしぶりをしていた。
物価が高騰しているという事実もなく、町人の人口も役所の記録を確認した限りでは、不自然な減少は見られなかった。
レベンツキー伯爵を城に呼びつけて尋ねても、『我が領地は平和で、民は幸せに暮らしております』というだけで、困り事を抱えているという相談はされなかったそうだ。
それまで領土の統治に問題があるという噂もなかった。
しかし三年ほど前に、レベンツキー領の近隣に住む貴族から、『なにかがおかしい』という情報が政府にもたらされた。
森林伐採が進んで、領地の一部はハゲ山となり、土砂崩れが発生して、麓に住む村人数人が亡くなったそうだ。
加えて物価が二、三割上昇し、町を出て近隣貴族の領地に移住しようとする民が増えたため、対処に困っているという情報であった。
それを聞いた国王は、早速、視察団を向かわせたのだが……。
山は確かに植林と伐採の均衡が取れず、寂しい有様となり、レベンツキー伯爵に指導を入れる事態となったけれど、町の異変は掴めなかったという。
板壁の家々が建ち並ぶ町は整然として、町の民は穏やかな暮らしぶりをしていた。
物価が高騰しているという事実もなく、町人の人口も役所の記録を確認した限りでは、不自然な減少は見られなかった。
レベンツキー伯爵を城に呼びつけて尋ねても、『我が領地は平和で、民は幸せに暮らしております』というだけで、困り事を抱えているという相談はされなかったそうだ。