懲らしめて差し上げますっ!~じゃじゃ馬王女の下克上日記~
まだ独身である兄の馬鹿な夢とは、ハーレム宮をつくるというものである。
そこに各地から選りすぐった美女を大勢住まわせて、妻を複数、持つつもりなのだとか。
この国の法律では一夫一妻制が定められているというのに、王族だけは多妻制が許されるよう改正するというのだ。
今のところ、国王である父、アレクサンドル二世が、エイドリアンの意見を却下しているため、ハーレム宮計画が実現することはないだろう。
けれど、来年になればどうなるかわからない。
アレクサンドル二世は、来年の夏に六十歳になる。
王室典範には、六十歳定年制度が記されており、現国王は来夏になれば王位を息子に継承しなければならないのだ。
政は臣下任せで、女の尻ばかり追いかけている兄が王位についたら、この国はどうなってしまうのか……。
最近になって、そのことを真面目に心配し始めたラナであった。
彼女が眉をひそめて兄を見つめていたら、斜め後ろから肩をポンと叩かれた。
振り向けばカイザーが、先ほど弾いたラナの剣を逆手に持ち、「姫様、どうぞ」と手渡してくる。
そこに各地から選りすぐった美女を大勢住まわせて、妻を複数、持つつもりなのだとか。
この国の法律では一夫一妻制が定められているというのに、王族だけは多妻制が許されるよう改正するというのだ。
今のところ、国王である父、アレクサンドル二世が、エイドリアンの意見を却下しているため、ハーレム宮計画が実現することはないだろう。
けれど、来年になればどうなるかわからない。
アレクサンドル二世は、来年の夏に六十歳になる。
王室典範には、六十歳定年制度が記されており、現国王は来夏になれば王位を息子に継承しなければならないのだ。
政は臣下任せで、女の尻ばかり追いかけている兄が王位についたら、この国はどうなってしまうのか……。
最近になって、そのことを真面目に心配し始めたラナであった。
彼女が眉をひそめて兄を見つめていたら、斜め後ろから肩をポンと叩かれた。
振り向けばカイザーが、先ほど弾いたラナの剣を逆手に持ち、「姫様、どうぞ」と手渡してくる。