懲らしめて差し上げますっ!~じゃじゃ馬王女の下克上日記~
普段のイワノフは、穏やかな笑みを浮かべ、一見すると好々爺である。
しかし裁判長として、ひとたび木槌を握れば、その厳しい眼光と威圧感に、罪人たちは青ざめて恐れおののくという。
照度を絞ったランプがたったひとつというこの部屋は、明かりが足りずに薄暗い。
くつろいだ姿勢でベッドに座っていたカイザーが、急に背筋を伸ばして緊張を走らせたのは、イワノフがニタリと不気味に笑ったせいだろう。
一方、イワノフと向かい合っているラナは、ゴクリと唾を飲み、肌を粟立てていた。
けれども、決してイワノフの迫力に気圧されているわけではない。
彼女は、ゾクゾクと湧き上がるような興奮を感じているのだ。
(この領地を調べ尽くして、ひとつめのミッションをチョチョイのチョイと片付けてやるわ……)
食事に関する不満はすっかり忘れ、静かに意気込むラナであった。
それから三日後。
同じ宿屋を拠点として、ラナたちは早朝から日暮れまで、レベンツキー領の秘密を暴くべく駆け回っていた。
イワノフとオルガ、グリゴリーの三人組みと、ラナとカイザーのふたり組みに分かれての調査である。
しかし裁判長として、ひとたび木槌を握れば、その厳しい眼光と威圧感に、罪人たちは青ざめて恐れおののくという。
照度を絞ったランプがたったひとつというこの部屋は、明かりが足りずに薄暗い。
くつろいだ姿勢でベッドに座っていたカイザーが、急に背筋を伸ばして緊張を走らせたのは、イワノフがニタリと不気味に笑ったせいだろう。
一方、イワノフと向かい合っているラナは、ゴクリと唾を飲み、肌を粟立てていた。
けれども、決してイワノフの迫力に気圧されているわけではない。
彼女は、ゾクゾクと湧き上がるような興奮を感じているのだ。
(この領地を調べ尽くして、ひとつめのミッションをチョチョイのチョイと片付けてやるわ……)
食事に関する不満はすっかり忘れ、静かに意気込むラナであった。
それから三日後。
同じ宿屋を拠点として、ラナたちは早朝から日暮れまで、レベンツキー領の秘密を暴くべく駆け回っていた。
イワノフとオルガ、グリゴリーの三人組みと、ラナとカイザーのふたり組みに分かれての調査である。