こじれた恋のほどき方~肉食系上司の密かなる献身~
「いいえ。元々家に物は少ない方だったので、必要な物さえあれば十分です」
心のどこかでまだ同居に反対している自分がいる。けれど、もう始まってしまったことなのだ。こうなったら、潔く腹をくくろうじゃないか。
「酒井さんは来週からコールセンターへ異動が決まっているそうですね」
お湯を沸かし、キッチンカウンターで何か作っている小宮さんに尋ねられる。
「ええ。今まで企画部で商品の開発を手掛けていたので、畑違いの場所でうまくやっていけるか不安で……」
なんでこんなこと、よく知りもしない人に話てるんだろう。
小宮さんは話を聞くのが上手だ。雰囲気だけでつい口が動いてしまう。
「きっとうまくやっていけますよ。それを見越して最上があなたを引き抜いたんですし」
まだ出会って間もないのに、最上さんは私の何を知っているの。
「これ、よかったらどうぞ。温まりますよ」
ついそんな可愛くない言葉が口をついて出そうになる。けれどその前に小宮さんから手渡されて、ココアと一緒にその言葉を呑み込んだ。
はぁ、明日会社行きたくない。
心のどこかでまだ同居に反対している自分がいる。けれど、もう始まってしまったことなのだ。こうなったら、潔く腹をくくろうじゃないか。
「酒井さんは来週からコールセンターへ異動が決まっているそうですね」
お湯を沸かし、キッチンカウンターで何か作っている小宮さんに尋ねられる。
「ええ。今まで企画部で商品の開発を手掛けていたので、畑違いの場所でうまくやっていけるか不安で……」
なんでこんなこと、よく知りもしない人に話てるんだろう。
小宮さんは話を聞くのが上手だ。雰囲気だけでつい口が動いてしまう。
「きっとうまくやっていけますよ。それを見越して最上があなたを引き抜いたんですし」
まだ出会って間もないのに、最上さんは私の何を知っているの。
「これ、よかったらどうぞ。温まりますよ」
ついそんな可愛くない言葉が口をついて出そうになる。けれどその前に小宮さんから手渡されて、ココアと一緒にその言葉を呑み込んだ。
はぁ、明日会社行きたくない。