こじれた恋のほどき方~肉食系上司の密かなる献身~
会社近くのバス停で降り、馴染みの通勤路の道に出る。本屋さんの角を曲がって本社に行くのだけれど、今日から曲がらずにまっすぐ進む。なんだかいつも歩いている道なのに変な感じだ。
ソニリアのコールセンターは真っ白な外観の自社ビルで五階建て。この建物がソリニアの窓口になっているのだ。
コールセンターでは商品注文受付、予約受付、テレアポ、クレームまたはサポート対応、DM発送等々まだほかにもたくさん仕事はある。エントランスへ入る前に「よし!」と気合を入れていると、スマホが鳴った。それは意外にも香奈からだった。
あれだけ人の陰口叩いていたくせに、今更なんの用だろう。
「もしもし?」
『あ、凜子? 新しい職場って今日からだったよね? 凜子、風邪引いて会社休んでたでしょ? あんまり話せなかったからさ、頑張ってねって言おうと思って』
本当に女は時に恐ろしい生き物だと思う。本音のところでは人を貶めるようなことを言って、こうやって偽ることができるのだから。いや、これは個人的に問題がある。とも言うべきか。
ソニリアのコールセンターは真っ白な外観の自社ビルで五階建て。この建物がソリニアの窓口になっているのだ。
コールセンターでは商品注文受付、予約受付、テレアポ、クレームまたはサポート対応、DM発送等々まだほかにもたくさん仕事はある。エントランスへ入る前に「よし!」と気合を入れていると、スマホが鳴った。それは意外にも香奈からだった。
あれだけ人の陰口叩いていたくせに、今更なんの用だろう。
「もしもし?」
『あ、凜子? 新しい職場って今日からだったよね? 凜子、風邪引いて会社休んでたでしょ? あんまり話せなかったからさ、頑張ってねって言おうと思って』
本当に女は時に恐ろしい生き物だと思う。本音のところでは人を貶めるようなことを言って、こうやって偽ることができるのだから。いや、これは個人的に問題がある。とも言うべきか。