こじれた恋のほどき方～肉食系上司の密かなる献身～

最上さんから厳しいことを言われ、言葉に詰まっていると彼は急に温和な笑みを浮かべて不意に言った。

「俺の前で何も隠す必要なんてない」

最上さんは頼もしくそんなふうに言うけれど、私はこの男が嫌いだ。嫌いなはずなのに、なぜか気持ちが揺れている。見つめられる度にドキドキと心臓が高鳴って、一緒にいると人知れず安堵に身が緩む。

まさかとは思うけれど彼に対して特別な感情を抱き始めているのかもしれないと、認めたくない事実に困惑してしまうのだった。