こじれた恋のほどき方～肉食系上司の密かなる献身～

今から十年前。

俺はイギリスの中心部にある国立大学の経営学部に在籍していた。卒業してそのまま自分の実家の会社に入るのは、決められたレールの上を進んでいるような気がして、人生に面白みを感じられなかった。だから、親の反対を押し切って起業しようとWeb関係の会社でアルバイトしながら資金を貯めていた。

そんなとき、その会社の取引先のマックスという男が偶然にも、同じ大学のＯＢで実は自分も起業したいという話をしてきた。彼は素朴で一見気弱そうな容姿だが頭の回転が速く、舌を巻くような話に毎回驚かされた。