こじれた恋のほどき方~肉食系上司の密かなる献身~
コールセンターの統括を任されてから、人の上に立つ責任の重さに次第に自身を立て直し、がむしゃらに働いてようやく上層部が俺を認め始めてきた頃――。

「貴斗。今年の新入社員に父さんの友人の娘さんがいるんだ。酒井凜子さんという人で企画部に配属になったようだ。何かと気にかけてくれと先ほど丁寧に挨拶の電話があった」

父の友人で同業者の社長“SAKAI”の娘か。

気にかけてくれ。と言われても俺はまったく興味もなく、それから長々と父の懐かしい学生時代の話に付き合わされた。

そんなある日。大手ともあろうソニリアに商品の成分記載のミスという事件が起きた。
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