こじれた恋のほどき方~肉食系上司の密かなる献身~
俺はその意表をついた発言に目を丸くした。おそらく、ここにいる全員が彼女よりも経験があり年も上だ。しかも、三十人近くいる男性ばかりという会議室の中で、たったひとり異議を唱える彼女に全員が注目した。
「君はなにを言っているのかわかっているのか? 全回収だって? 馬鹿な、そんなことをしていくらの損失がでると思っているんだ?」
眉を顰めながら専務に言われると、彼女は一瞬怯んだようにも思えたが続けて口を開いた。
「消費者の目は侮れません。ミスのある商品を売ったことで会社の信頼が失われます。一度崩れた信用をもう一度築きあげることがどれだけ大変か、かかる損失とは比べ物にならないと思います」
一度崩れた信用……ね。
「君はなにを言っているのかわかっているのか? 全回収だって? 馬鹿な、そんなことをしていくらの損失がでると思っているんだ?」
眉を顰めながら専務に言われると、彼女は一瞬怯んだようにも思えたが続けて口を開いた。
「消費者の目は侮れません。ミスのある商品を売ったことで会社の信頼が失われます。一度崩れた信用をもう一度築きあげることがどれだけ大変か、かかる損失とは比べ物にならないと思います」
一度崩れた信用……ね。