こじれた恋のほどき方~肉食系上司の密かなる献身~
いつもと変わらない日が過ぎていき、とうとうその週末がやってきた。
父から指定された場所は代官山にあるホテルの高級割烹料理店で、落ち着いたベージュのワンピースというシンプルだけど一応、小綺麗な格好で来た。
一五〇センチというさほど高くない身長がコンプレックスで、いつも出掛ける時はヒールのあるパンプスを履くことにしている。店に入る前に自分の顔をチェックしようとホテルの化粧室に入る。
はぁ、なんか疲れた顔してるな。
化粧室の鏡の前で頬をペチッと叩く。
別に今日を楽しみにしていたわけではないけれど、なぜか昨夜はなかなか寝付けなかった。
うっすらと目の下にクマができていて、それをコンシーラーでもう一度隠す。小さい頃からおちょぼ口と言われていた唇に少し明るめのリップを塗って、髪の毛を梳かすと自然と高鳴っていく胸を押さえて店に向かった。
「おお、凛子。来たか、こっちだ」
店の入り口で作務衣を着たスタッフに案内されると個室に通された。どんな人だろうかとドキドキしながら格子戸が開いたけれど、そこにいたのはスーツを着た父がいるだけだった。
「最上君からさっき連絡があって、少し遅れるそうだ。まぁ、座りなさい」
最上……相手の人、最上っていうんだ。
父から指定された場所は代官山にあるホテルの高級割烹料理店で、落ち着いたベージュのワンピースというシンプルだけど一応、小綺麗な格好で来た。
一五〇センチというさほど高くない身長がコンプレックスで、いつも出掛ける時はヒールのあるパンプスを履くことにしている。店に入る前に自分の顔をチェックしようとホテルの化粧室に入る。
はぁ、なんか疲れた顔してるな。
化粧室の鏡の前で頬をペチッと叩く。
別に今日を楽しみにしていたわけではないけれど、なぜか昨夜はなかなか寝付けなかった。
うっすらと目の下にクマができていて、それをコンシーラーでもう一度隠す。小さい頃からおちょぼ口と言われていた唇に少し明るめのリップを塗って、髪の毛を梳かすと自然と高鳴っていく胸を押さえて店に向かった。
「おお、凛子。来たか、こっちだ」
店の入り口で作務衣を着たスタッフに案内されると個室に通された。どんな人だろうかとドキドキしながら格子戸が開いたけれど、そこにいたのはスーツを着た父がいるだけだった。
「最上君からさっき連絡があって、少し遅れるそうだ。まぁ、座りなさい」
最上……相手の人、最上っていうんだ。