こじれた恋のほどき方~肉食系上司の密かなる献身~
第七章 最上の闇
コールセンターに異動してからあっという間に数週間が過ぎていった。

企画部にいた時の頭を切り替えて、新しい仕事を早く覚えようと毎日忙しなくしていた。
元々企画部にいたおかげでソニリアの商品についてはすべて把握している。お客様からの問い合わせにも問題なく対応することができ、異動してきたばかりだけど、いつの間にか同僚からも頼りにされるようになった。

生活の慣れというものは怖い。

初めは最上さんと同居するなんてありえないと、一緒に暮らし始めてから数日間、未練がましく物件を探したりもした。けれど、自分勝手な行動だと引け目を感じているうちにどんどん時が過ぎて、今ではすっかりルームシェア感覚になってしまっていた。
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