こじれた恋のほどき方~肉食系上司の密かなる献身~
『小宮です。お疲れ様です。すみません、仕事先に連絡してしまって……今、大丈夫ですか?』

小宮さんは最上さんの秘書兼世話係の人で、その紳士的な穏やかな声を聞くのは久しぶりだった。

「大丈夫ですよ。小宮さんから電話なんて、どうしたんですか?」

『私用電話みたいなものなのであまり長電話できないのですが、仕事が終わったら時間ありますか?』

話したいことがある。と言われてなんの話だろうかと皆目見当もつかないまま「わかりました」と、私は今夜小宮さんと会う約束をした。
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