こじれた恋のほどき方~肉食系上司の密かなる献身~
小宮さんの口から彼の名前が出て、自然と背筋を伸ばす。
「なんとなく今日一日、何を聞いても上の空だったというか……彼女を、あなたを自分勝手な衝動で傷つけた。とだけ言ってて。あの、もし差支えなければなにがあったのか聞いてもいいですか?」
え? 聞いてもいいですかと言われても……。
最上さんに押し倒されて襲われそうになった。なんて彼のことを考えたら、そんなこと言えない。視線を落として黙っていると、それを察した小宮さんが苦笑いをして続けて口を開いた。
「すみません。立ち入ったことをお伺いして……。もしかしたら、また彼の悪い癖が出たんじゃないかと思って」
「悪い癖?」
「ええ。プライドばっかり高くて、ああ見えても実は脆い部分があるんです。このことをあなたにお話してもいいかわかりませんが、傷つけられたのが事実であれば酒井さんにも知る権利はあるかと」
「なんとなく今日一日、何を聞いても上の空だったというか……彼女を、あなたを自分勝手な衝動で傷つけた。とだけ言ってて。あの、もし差支えなければなにがあったのか聞いてもいいですか?」
え? 聞いてもいいですかと言われても……。
最上さんに押し倒されて襲われそうになった。なんて彼のことを考えたら、そんなこと言えない。視線を落として黙っていると、それを察した小宮さんが苦笑いをして続けて口を開いた。
「すみません。立ち入ったことをお伺いして……。もしかしたら、また彼の悪い癖が出たんじゃないかと思って」
「悪い癖?」
「ええ。プライドばっかり高くて、ああ見えても実は脆い部分があるんです。このことをあなたにお話してもいいかわかりませんが、傷つけられたのが事実であれば酒井さんにも知る権利はあるかと」