こじれた恋のほどき方~肉食系上司の密かなる献身~
最上さんと出会った頃は、なにもかも一方的で「婚約なんてこっちから願い下げ!」と突っぱねていた。けれど、私は気がついてしまった。自分の気持ちに。
心の中で葛藤していたのは私だけではなかった。今まで不遜で強引な態度に頭にくることもあった。けれど、不器用な愛情表現の裏で彼も同じく過去のトラウマに悩まされて苦しんでいたのだ。
「知らなかったんです。自分のことをこんなにも陰で見ていてくれた人がいたなんて……私、最上さんのことが好きです」
何度も唇を濡らし、自分の曖昧な態度のせいで小宮さんにまで心配をかけていると思うと、私は震える声を振り絞ってそう言った。
「それを聞いて安心しました。このことは他言しません、もちろん最上にも」
小宮さんは私の答えに心底安堵して、ほっとした表情を浮かべた。
心の中で葛藤していたのは私だけではなかった。今まで不遜で強引な態度に頭にくることもあった。けれど、不器用な愛情表現の裏で彼も同じく過去のトラウマに悩まされて苦しんでいたのだ。
「知らなかったんです。自分のことをこんなにも陰で見ていてくれた人がいたなんて……私、最上さんのことが好きです」
何度も唇を濡らし、自分の曖昧な態度のせいで小宮さんにまで心配をかけていると思うと、私は震える声を振り絞ってそう言った。
「それを聞いて安心しました。このことは他言しません、もちろん最上にも」
小宮さんは私の答えに心底安堵して、ほっとした表情を浮かべた。