こじれた恋のほどき方~肉食系上司の密かなる献身~
第八章 こじれた糸が繋がるとき
それから一週間が経った。
私生活とは逆に仕事は順調で、今の私にはそれだけが救いだった。
ここ数日、エントランスで見かけた女性の影がちらついて、何度も最上さんにそのことを尋ねようとしたけれど、いざ声をかけたところで言葉にならず、同じ屋根の下に住んでいるというのに冷めきった夫婦のような日々を過ごしている。その最上さんはというと、私を書斎で押し倒したあの夜から家に帰ってこない日が増えた。
どうやら会社に残って仕事をしているようだったけれど、彼なりに気まずい思いを引きずっているのかもしれない。だいたいあのマンションは私の家じゃないし、最上さんの家だ。ひとりで家にいると、悶々としてしまう。それが最近になって寂しいということなのだと気がついた。
私生活とは逆に仕事は順調で、今の私にはそれだけが救いだった。
ここ数日、エントランスで見かけた女性の影がちらついて、何度も最上さんにそのことを尋ねようとしたけれど、いざ声をかけたところで言葉にならず、同じ屋根の下に住んでいるというのに冷めきった夫婦のような日々を過ごしている。その最上さんはというと、私を書斎で押し倒したあの夜から家に帰ってこない日が増えた。
どうやら会社に残って仕事をしているようだったけれど、彼なりに気まずい思いを引きずっているのかもしれない。だいたいあのマンションは私の家じゃないし、最上さんの家だ。ひとりで家にいると、悶々としてしまう。それが最近になって寂しいということなのだと気がついた。