こじれた恋のほどき方~肉食系上司の密かなる献身~
仕事が終わり、今夜もひとりで過ごすのかと思いながらマンションへ帰宅すると、意外にもリビングの明かりがついていた。

最上さん?

慌てて靴を脱いでリビングのドアを開くと、ソファに座ってコーヒーを飲んでいる最上さんの姿があった。

「おかえり」

「……た、ただいま」

彼と一緒に暮らし始めてこんなまともな挨拶をしたのは久しぶりだ。嬉しくて思わず笑みがこぼれる。

「どうした?」

「いえ、ここ数日最上さん家に帰ってこないから……こういうの久しぶりだなって思っただけです」

テーブルにバッグを置くと、不意に後ろから腕を回されて抱きしめられた。

「あの、最上……さん?」

「……ごめん」
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