こじれた恋のほどき方~肉食系上司の密かなる献身~
第十章 運命の赤い糸
父が倒れて一週間が経った。まだ意識は戻らないものの、容体は安定している。
「お前、あまり無理するなよ? 残業なんかしなくていいから、仕事で手一杯なら俺のところに持って――」
「何度も言いますけど大丈夫ですよ。最上さんこそ、無理しないでください」
リビングで忙しなくコートを羽織る最上さんを背にそう言いながら部屋を出る。
身も心も通じ合ってからというもの、最上さんは最初の頃と打って変わって私に過保護すぎるくらい甘やかすようになった。
基本、誰にでも優しいんだけどね。
仕事に行くために玄関でパンプスを履いていると、最上さんも一緒に出勤のため私の後に続く。
「お前、あまり無理するなよ? 残業なんかしなくていいから、仕事で手一杯なら俺のところに持って――」
「何度も言いますけど大丈夫ですよ。最上さんこそ、無理しないでください」
リビングで忙しなくコートを羽織る最上さんを背にそう言いながら部屋を出る。
身も心も通じ合ってからというもの、最上さんは最初の頃と打って変わって私に過保護すぎるくらい甘やかすようになった。
基本、誰にでも優しいんだけどね。
仕事に行くために玄関でパンプスを履いていると、最上さんも一緒に出勤のため私の後に続く。