こじれた恋のほどき方~肉食系上司の密かなる献身~
夢なのか現実なのか、頭の中で誰かが私にそう語りかけている。
瞼の裏にオレンジ色の灯りと熱を感じて、私はうっすらと目を開けた。確かに今まで誰かの気配を感じていたけれど、部屋には誰もいない。
いつの間に寝ていたんだろう。
そうだ、私……昨日、酔いつぶれてそのまま最上さんの家に――。
昨夜はだいぶ飲んでしまった。アルコールは抜けたけれどまだ頭が重たい。それから、最上さんに口づけられたあの感触が鮮明に蘇る。
ああっ! 不覚だわ……。
木崎課長が重ねてくる口づけは、いつだって“温度”を感じなかった。私がいう温度とはプラトニック的なもので、NGワードのように「愛してる」という言葉は互いに口にしなかった。それでも抱かれている時だけは生きているような心地がするのだ。それを満たされているとかこつけて。
最上さんとだって、別に好きでもないのにあんなことされて正直今でも戸惑っている。でも、今でも覚えている彼の熱に再び動悸が走る。
真っ白な無機質な壁と天井。ここは普段最上さんが寝室として使っているようで、枕からかすかに彼の香りがした。枕元に置いたままのスマホには着信とメールが何件か入っていた。木崎課長からだった。
瞼の裏にオレンジ色の灯りと熱を感じて、私はうっすらと目を開けた。確かに今まで誰かの気配を感じていたけれど、部屋には誰もいない。
いつの間に寝ていたんだろう。
そうだ、私……昨日、酔いつぶれてそのまま最上さんの家に――。
昨夜はだいぶ飲んでしまった。アルコールは抜けたけれどまだ頭が重たい。それから、最上さんに口づけられたあの感触が鮮明に蘇る。
ああっ! 不覚だわ……。
木崎課長が重ねてくる口づけは、いつだって“温度”を感じなかった。私がいう温度とはプラトニック的なもので、NGワードのように「愛してる」という言葉は互いに口にしなかった。それでも抱かれている時だけは生きているような心地がするのだ。それを満たされているとかこつけて。
最上さんとだって、別に好きでもないのにあんなことされて正直今でも戸惑っている。でも、今でも覚えている彼の熱に再び動悸が走る。
真っ白な無機質な壁と天井。ここは普段最上さんが寝室として使っているようで、枕からかすかに彼の香りがした。枕元に置いたままのスマホには着信とメールが何件か入っていた。木崎課長からだった。