こじれた恋のほどき方~肉食系上司の密かなる献身~
暦の上ではもう秋だというのに、日中の厳しい残暑の照りつけが夜になっても蒸し暑さを感じさせる。道行く人の装いはまだまだ夏といった感じだ。
明日も仕事だと思うとやっぱり帰ろうかな。とも思ったけれど、なんとなくまだ家に帰りたくない気分だった。肩下まであるまだ半乾きの髪をあげてタクシーを拾うと、六本木にあるBar“シュエスコ”へたどり着いた。
シュエスコは十人入れば満席になってしまうくらいの小さな店で、五十近い白髪のマスターがひとりで切り盛りしている。レンガ作りの外観がどことなくレトロな雰囲気をうかがわせていて、ひとりでも気楽に通えるようなBarを探していた時にちょうど見つけたお気に入りの場所だ。
ドアを開けるとカウベルが鳴って「いらっしゃいませ」と出迎えられた。中へ進むと店内は薄暗い間接照明だけで微かにジャズが流れている。いつきてもここは落ち着く、私の穴場スポットだ。平日の夜でしかも二十三時手前ということもあってか、来客は三人ほどしかいなかった。
明日も仕事だと思うとやっぱり帰ろうかな。とも思ったけれど、なんとなくまだ家に帰りたくない気分だった。肩下まであるまだ半乾きの髪をあげてタクシーを拾うと、六本木にあるBar“シュエスコ”へたどり着いた。
シュエスコは十人入れば満席になってしまうくらいの小さな店で、五十近い白髪のマスターがひとりで切り盛りしている。レンガ作りの外観がどことなくレトロな雰囲気をうかがわせていて、ひとりでも気楽に通えるようなBarを探していた時にちょうど見つけたお気に入りの場所だ。
ドアを開けるとカウベルが鳴って「いらっしゃいませ」と出迎えられた。中へ進むと店内は薄暗い間接照明だけで微かにジャズが流れている。いつきてもここは落ち着く、私の穴場スポットだ。平日の夜でしかも二十三時手前ということもあってか、来客は三人ほどしかいなかった。