こじれた恋のほどき方~肉食系上司の密かなる献身~
被害届も出し終わり、防犯カメラが周辺になかったことから犯人の特定は難しいと言われてモヤモヤしながら今日の仕事の仕上げにかかる。
同僚で仲のいい香奈には昨夜の出来事を最上さんのことは省いて一通り話をした。コールセンターへ異動のこともそれとなく伝えた。
「えーっ! 異動!? しかもコールセンターって……嘘でしょ」
私だって何かの間違いだと思いたい。信じられない!と両手で口元を抑えて香奈は空き巣のことにも驚いていた。
「来月から異動なんだ。麻布と六本木なんて目と鼻の先だし、また飲みに行こう」
明るくそう言うと、香奈は目をうるうるさせて「寂しい、寂しい」と残念そうにしていた。
そんなふうに思ってくれるのはきっと香奈だけだよ……。
この部署で唯一仲良くしていた同僚だったし、私も話ができる友達と離れるのは寂しい。香奈がオフィスを後にしたあと、少し残業して気がつくと二十時になっていた。
あんまり遅くならないうちにアパートに行かなきゃ。
それに空き巣に入られてしまい、大家さんにも迷惑をかけてしまった。デスクの上を片付けてオフィスを後にすることにした――。
同僚で仲のいい香奈には昨夜の出来事を最上さんのことは省いて一通り話をした。コールセンターへ異動のこともそれとなく伝えた。
「えーっ! 異動!? しかもコールセンターって……嘘でしょ」
私だって何かの間違いだと思いたい。信じられない!と両手で口元を抑えて香奈は空き巣のことにも驚いていた。
「来月から異動なんだ。麻布と六本木なんて目と鼻の先だし、また飲みに行こう」
明るくそう言うと、香奈は目をうるうるさせて「寂しい、寂しい」と残念そうにしていた。
そんなふうに思ってくれるのはきっと香奈だけだよ……。
この部署で唯一仲良くしていた同僚だったし、私も話ができる友達と離れるのは寂しい。香奈がオフィスを後にしたあと、少し残業して気がつくと二十時になっていた。
あんまり遅くならないうちにアパートに行かなきゃ。
それに空き巣に入られてしまい、大家さんにも迷惑をかけてしまった。デスクの上を片付けてオフィスを後にすることにした――。