こじれた恋のほどき方~肉食系上司の密かなる献身~
なんとか寝返りをして、ベッドの下に置いていたバッグから這うようにしてスマホを取り出す。数件着信やメールが入っていたけれど、今はそれを確認する気力がない。

今、何時だろ……って。大変!!

今すぐに起きて準備しなければ会社に遅刻する時間になっていたのを見て目を見開いた。けれど、節々に感じる鈍い痛み、そして誰かがのしかかっているんじゃないかと思うくらいに身体が重くて私はそのままベッドに突っ伏した。その時。

「おい。いつまで寝て――どうした?」

形式だけのノックが数回。ベッドにぐったりしている私を見た最上さんが、心配げにネクタイを結びながら部屋に入ってくるのがわかった。けれど、身体が動かない。

「やっぱりな。お前、熱があるだろ」

「え……?」

突っ伏した顔をあげると、ごろんと枕に頭を預ける。汗で前髪が張り付いた額に最上さんの大きな手があてがわれた。
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