Green Apple
季節は巡り、12月。

俺が住んでいるところは、
この時期とはいえ比較的雪は少なく、
今もパラパラと降っているぐらいだ。


でも寒い。本当に。

しかし俺のクラスには、こんな寒さにも関わらず半そでTシャツの奴がいる。

小学生あるあるのようだ。

それにしても、時が経つのは早すぎる。
冬だからか?

…いや、小学5年生の頃は意外とそうでもなかったような気がする。


山内が転校してきた時からだろうな。


今も後ろに座っている。

だいたいもう席替えをしていてもおかしくない。

しかし、宿題の提出状況が運動会を終わってから悪いらしく、

怒った担任の先生は2週間後に始まる冬休み明けにする、とのことだ。


ほんとさ、こういうの………


最高!



感謝を言いたいぐらいだ。

おかげで俺の後ろはまだ山内で、毎日が楽しい。


まあ、休み時間は山内は本読んでるし、

俺自身も机に伏せて寝ているかどうかしているから、

あいかわらずろくに会話もしてないけれど。


でも後ろにいる、

と思うと、緊張するし顔も緩む。


こんなことで毎日ハッピーに感じるなんて。


しかも、1つ結びの幼なじみいわくだが、



山内とガリ勉は別れたらしい。



なんでも山内の方から…と言っていたような。


悪いがそれを聞いてなお嬉しく思う。


でも、ふと思う。


俺は山内のことが好きだけど、


「付き合う」ということは考えたことがなかった。


何だろう?「付き合う」って。


何気に流していたけれど、ガリ勉と山内は付き合っていたんだな。



今になってなぜか実感。


そういえば、俺も告白されたことが4年生か5年生の頃にあったっけ。


でもあの時は「好き。」と言われて、「ありがとう。」って返したてそのまんま終わった感じだったような気がする。


もうすぐ小学校卒業をするけれど、
中学生になったら俺も「付き合う」ことを経験するのだろうか。


それがもし山内と、なんて想像ができないし、緊張する。


中学生。


これからどんなことが待っているのだろうか。


そんなことをぼーっと1日考えていた。
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