真実(まこと)の愛
「その『遊色効果』の宝石は、麻琴ちゃんの誕生石のオパールだよね?
ややちゃんも誕生石の真珠のピンキーしてるし、あたしも今度のクリスマスに和哉にねだって買ってもらっちゃおうかなぁー」
右手に誕生石のピンキーリングをつけるのは「お守り」になると言われている。
きっと、魚住なら愛妻のために喜んでプレゼントするだろう。すでにその左手薬指にしっかりと収まっているカルティエのバレリーナのように。
「ねぇ、そのピンキー、どこのブランド?」
麻琴はJubileeの名を挙げた。
美咲と稍が「おおーっ!」と、どよめく。
「久城 礼子のデザインってステキよねー」
稍がうっとりした口調で、専属のジュエリーデザイナーの名を挙げた。
「……決めたっ!
あたしも、Jubileeで誕生石のピンキー見てみる」
美咲はその儚げな外見とは裏腹に、いつも決断が早かった。