真実(まこと)の愛
Chapter4

➖❶


……まいったな。完全に行き詰まっちゃったわぁー。

あれから麻琴は、なんとなく浮かんだイメージが、なかなか形にできないでいた。
ただクロッキーブックの白いページが、なんの脈絡もなく雑然と埋められていくだけだ。

……「北欧」に(こだわ)るのがダメなのかしら?

そのままやるのであれば、上林(かんばやし)が言うように確かに「本場」には敵わない。

だが、なにかプラスアルファが必要なのはわかるけれども、それがなかなか思い浮かばないのだ。

「……すんげぇ、困ってるなー、麻琴」

守永が外回りからMD課のオフィスに戻っていた。
また隣にどかっと座ってきて、麻琴の手元を覗き込んでいる。

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