真実(まこと)の愛
「だったら、商品の売り上げの一部を自然環境を守る非営利組織などに寄付するとかして、そういう方面に意識のある人がもっと手に取りやすいようにするっていうのはどうですか?」
上林が麻琴のプランに「色付け」するようなアイディアを出してきた。
「……いいわね!商品を購入することで個人的な『所有欲』を満たすだけでなく『社会貢献』もできるということね?」
麻琴は目を輝かせた。
「麻琴、売るのは『枠』だけか?」
顎に手を当てた守永が問うた。彼がなにか思案するときの癖だ。
「『中身』もなんとかならないか?」
「そうなんですよねー。オシャレなフレームに合う絵って、どこで手にいたらいいかわかんないんですよねぇ。それに、絵とフレームのサイズが合わないってこともあり得るし。やっぱ、余白とかのバランスも考えて、初めから額装しているのがあれば買いやすいですよね。取り付け方も含めてうちに持って帰ってすぐに部屋に掛けられる、っていうのがベストです」
紗英がうんうん、と肯きながら述べる。
……なるほどね。
「オシャレな絵や写真とフレームをセットにして売る、ってことね」
そのとき、麻琴の脳裏に電光が走る。