真実(まこと)の愛
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……やっぱり、仕事はわたしを裏切らない。
ユニマットのコーヒーを買いにリフレッシュスペースへ向かう麻琴は、しみじみと噛み締めていた。新商品の開発に向けて、ようやく方向性が定まってきて、新しいチームがまとまり始めたからだ。
魚住に大失恋したときも、青山から一方的に別れを告げられたときも、麻琴は一心不乱になって仕事に没頭していた。
そのうちに、四六時中ズクズクッと疼いていた心の痛みが、いつの間にか、時々思い出したようにズクッと痛む、という程度までになっていた。
……松波先生のことは、別にそこまで想っていたわけじゃないんだから。
きっとすぐに元どおりの自分になる、と麻琴は思った。
やはり、ここまで男運の悪い自分は、仕事に打ち込んで生きていくしかないのだ。