真実(まこと)の愛
しかし、麻琴には、自分と守永とが結びつけられる理由がさっぱりわからなかった。
……それに、元カノと元サヤに収まるあなたに、わたしの恋愛の「応援」なんか、してもらいたくないんですけれども。
「守永さんに奥さんがいるかどうかなんて、わたしにとってはどうでもいいことです」
……だって、守永さんとわたしは、ただの「上司」と「部下」ですもの。
「そんなことよりも、わたしがだれを好きになって、どんな恋愛をしたとしても……」
麻琴は松波の方に向き直って鋭く見据えた。
彼に対して、こんなふうに険しい目を向ける日が来るとは、夢にも思わなかった。
「……松波先生、あなたには関係のないことです」
きっぱりとそう言い切った麻琴は、今度こそ医務室から出て行った。