真実(まこと)の愛

芝田とつき合うようになって、麻琴はずいぶん「楽」に日常生活を送れるようになった。

気を引くつもりなんてカケラもないのに、麻琴が「普通に」話しているだけで、中には「誤解」してストーカーもどきになってしまう(やから)がいたのだ。

だけど、絵に描いたような「美男美女」の間に割って入ろうとする向こう見ずな者は、皆無に等しくなった。それは芝田の方にも言えた。

麻琴と芝田は、みんなが認める「ベストカップル」として大学時代を送った。

機械が苦手な麻琴に根気強くAutoCADを教え込んだのは、彼だ。

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