真実(まこと)の愛

「そしたら、おれ、仕事あるし……そろそろ行くな」

芝田はオーダーの伝票を掴んで立ち上がった。

「クリエーターが決まったら、また連絡するわ」

「あぁ、淳……ありがとう。ご足労かけるわね」

麻琴は頭を下げつつも、芝田の手から伝票をひょい、と取った。

「それと、これは……こちらで。仕事の打ち合わせですもの。経費で落とすから、気にしないで」

「そうか……悪いな。それじゃ、遠慮なく。
……それから」

芝田は松波に向き直った。

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