真実(まこと)の愛

「ティールームの窓辺のテーブルで、麻琴がこの前とは違う男と密会していたんだ。
それも……今度もまた妻帯者のヤツと」

突然、どこから呼んできたのか、恭介の背後にどんよりとした暗闇が出現した。

「……しかも、その妻帯者とはすっごい楽しそうに笑いながらお茶してた」

「……はぁ?」

麻琴の口から呆れ果てた声が漏れた。

……『この前とは違う男と密会していた』なんて、人聞きの悪いっ!
『その妻帯者とはすっごい楽しそうに笑いながら』って、仕事の話をしてただけなのにっ⁉︎

< 193 / 296 >

この作品をシェア

pagetop