真実(まこと)の愛

……うっわー、この(ひと)、卑怯なまでに年季の入った「やさしさ」の持ち主じゃないの⁉︎
道理で、何人も「人生の伴侶」が現れるはずだわ。

「あ、お気遣いなく……ここに来る前に軽く済ませてきましたので」

麻琴は、どうしても引き()ってしまいそうになる笑顔を必死で(ほぐ)した。

「……では、渡辺さま、鮫島さまと久城さまのお相手、よろしくお願いします」

杉山が、心の底から申し訳なさそうにして下がって行った。


……あぁ、杉山くん、わたしを置いてかないでよー!

< 232 / 296 >

この作品をシェア

pagetop