真実(まこと)の愛

「恭介とは長いつき合いだけど、一人の女性のためにここまでするのって、本当に見たことないのよ?それは……わたしも含めてよ」

麻琴を見つめて、礼子がしみじみと言った。

「……だから、そんな恭介のことを、『身に余る』だとか『もったいない』だとか、そういう理由で拒絶しないであげてほしいのよ」

そして、ふふっ、と軽やかな笑い声をあげて、

「よくピンキーリングはラッキーアイテムだって言うけれども、わたしのデザインしたリングでしあわせになった人には、恭介の親友の奥さんもいるのよ」

……もしかして。

麻琴の脳裏に、ティファニーのマリッジリングとは反対側の手の小指に光る、流れ星のようにアメシストが輝くリングが浮かんだ。
そして、その持ち主といえば……

「七海のピンキーも、Jubileeのものだったんですね?」

礼子の瞳が大きく見開く。

「えっ、ななみんをご存知なの?」

「はい……わたしの従姉妹(いとこ)なので。ほんとに、たまたまの偶然ですけれど」

麻琴が苦笑しながらそう答えると。

「「えええええぇ……っ⁉︎」」

礼子だけではなく、鮫島までも叫んだ。

……七海ちゃん、あなた、この人たちの前でも『すさまじい』ことをやったわね?

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