真実(まこと)の愛
中央にはエメラルドカットされた、どう見ても1カラット以上の大きなダイヤモンド。
エメラルドカットはプリリアントカットに比べて光の反射率は乏しいが、その代わりその大きさにもかかわらず奇跡的なほど含有物が見受けられないため、底まで透き通って見えるような透明度だった。
また、その両脇を挟むようにして支えるのは、眩い光を放つブリリアントカットされた少し小さめの二つのダイヤモンド。
さらに、ゴールドのアームに取り巻くのは、長方形のテーパーダイヤモンド。
……ちょ、ちょっと、どう見ても、このリングって。
「僕はきみに、祖父が祖母に贈ったエンゲージリングを、もらってほしいんだ。そして……」
恭介は腰を落として、床に片膝をついた。
立っている麻琴を、灰緑色の瞳で見上げる。