真実(まこと)の愛

「……きみは気づいてなかったみたいだけれど、僕がきみを初めて見たのは、(かける)(バー)だったんだ」

恭介がそのときのことに思いを馳せる目をした。

「きみが独りでカウンターに座って、ウィスキーを呑んでいる後ろ姿がね、背筋が伸びて凛としていて、カッコよかったんだ……でもね」

< 260 / 296 >

この作品をシェア

pagetop