真実(まこと)の愛
➖❷
有明テニスの森駅近くの、聳え立つタワーマンションの前に、恭介と麻琴はいた。
「ここって……もしかして……」
「そうだよ、僕の家」
……いやいやいや、そうじゃなくって。
まさか、こういうシチュエーションで「彼のマンション」に来るとは思わなかった。
あの頃、ここに住んでいることは知っていたが、最後まで招き入れられることはなかった場所だ。
……まぁ、別に、だからと言って「彼の部屋」へ行くわけじゃないけれど。
「ここね……ややちゃんが住んでいるマンションなのよ」
かつて、麻琴が招ばれたかった部屋の主と一緒に住んでいる。