真実(まこと)の愛

「Thank you so much for inviting me to be a part of your celebration.」
〈あなたの儀式の一部として招待していただいてとてもうれしいわ〉

麻琴もまた、まるで案内状の返信でもするかのように答えて、にっこりと微笑んだ。

先刻(さっき)はガラにもなく、バスローブの紐を両手で抑えてしまったけれど、恭介とそういう(・・・・)仲になることに関してはまったく抵抗はない。

恭介があからさまにほっとした顔になる。

……あたりまえじゃない。結婚するんだもの。
それに、わたしたち、処女でも童貞でもないもうアラフォーよ?

そう思うと、なんだかおかしくなってくる。
今までにカラダの関係がなかったことが不思議なくらいだ。

きっと、麻琴も恭介も、十年ほど前には今よりずっと気軽に、異性に対してカラダを開いていたはずなのに。

「Is there anything I can bring?」
〈なにか用意するものある?〉

麻琴はおどけて訊いてみる。
「招待」を受けたときの決まり文句だ。

すると、恭介に正面から、ぎゅーっと力いっぱい抱きしめられた。


「...Only your love for me.」
〈きみの愛だけでいいよ〉

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