真実(まこと)の愛
「……瑞季は元気にしてるか?」
それは、守永の元妻の名前だった。
……今さら、どの口が言う⁉︎
「お互い忙しいし、東京と大阪だから、LINEでのやり取りぐらいですけど、元気そうですよ。
それに、彼氏がいるみたいですし。
瑞季は美人だから昔からモテますしね。
大阪にあるステーショナリーネットの代理店の社長さんだと言ってましたね。
今度は幸せになれるんじゃないですか?」
……ふん、オンナは記憶を「上書き」する生き物なのよ?いつまでも、自分のことを想ってるなんて、思わないでもらいたいわ。
「……そうか」
……それとも、自分が捨てた女が幸せになってるってかもしれないと知って、ホッとしてるのかしら?
どっちにしたって、この人が「最低」なのは変わらないんだけど。