真実(まこと)の愛
「あ、あのっ、松波先生っ。
こ、このリング、わたしに売ってくださいっ!」
どうしても諦められない麻琴は思わず申し出た。
「……へっ?」
パリコレにも出られそうな超絶イケメンが、なんともマヌケな顔になった。
「おいくらでしょうか?
お支払いしますから、譲ってもらえませんか?」
麻琴は頭を下げて必死でお願いした。
「……麻琴さん、
なかなか斬新な『ご提案』だけど、
それ……本気で言ってる?」
松波の声に、今までに聞いたことがないほど、剣呑な響きがこもっていた。