真実(まこと)の愛
「「えええええぇ……っ⁉︎」」
松波と杉山が同時に仰け反った。
「……じゃあ、きみ、諒志と七海さんの結婚式に出席した?」
松波が呆然とした顔で訊く。
杉山が「えっ、恭介さん喰いつくとこはそこ?」という怪訝な顔になる。
「はい……親族なので」
麻琴がおずおずと答える。
……あぁ、やっぱりあの七海ちゃんだったか。
脳裏に、学年は一つ上だが同い年の従姉妹の顔が浮かんだ。今では年子で立て続けに生まれた三児の母だ。
「……Bollocks!あのとき、なんとしてもロンドンから帰ってくるべきだったっ!
そしたら、もっと早くに出逢えていたのにっ‼︎」
松波はアメリカンチェリーのカウンターをどんっ、と叩いて口惜しがった。
杉山は呆れ果てた目をしながらも、生温かい視線を送った。