真実(まこと)の愛
松波がうれしそうな顔でベルベットのケースからフォークリングを取り出す。
そして彼女の右手を取って、その小指に通した。
天井のダウンライトから注がれるオレンジ色の光に向けて、麻琴がその手をかざす。
「よかった……すごく似合ってるね」
松波がホッとしたような顔で穏やかに微笑む。
フォークリングの片側のオパールが、虹のように複雑に絡み合う色彩で魅惑的に輝いている。
遊色効果というらしい。
「オパールは、創作活動をするアーティストにインスピレーションをもたらす効果があるんだって。クリエイティブな仕事に携わる麻琴さんにぴったりだね」
……へぇ、そうなんだ。誕生石がそんな宝石だったなんて、うれしいな。
「それから、もう片方のダイヤモンドは自信を授けてくれる宝石らしいよ」
……うわぁ、まさに「ラッキーアイテム」になりそう。