真実(まこと)の愛
「商品のコンセプトすら、まだ提示できなくて申し訳ないと思っているわ。でも、最初だからこそ、きちんとしたものをプレゼン会議にぶつけて、ぜひとも商品化をもぎ取りたいの」
「あたしも最初が肝心だと思います!」
紗英は同調してくれた。
「とりあえずさ、麻琴が今どういう方向で考えてるのかだけでも教えてくれよ。もしかしたら、今の時点でも、それぞれができることがあるかもしれないからさ」
守永の言葉に、麻琴は逡巡しながら答える。
「そうですね……やはり、『北欧』は外したくないですね」
「ターゲットの購買層は?」
「二十代から三十代の働く女性です」
上林が「ありきたりだな」という顔になる。
「ロハスにとってのメインターゲットですよ?」
紗英が上林をじろっと見る。
「一人暮らしの女性が、うちに帰ってよかったな、と思えるようなインテリアを考えています」
麻琴はまだ頭の中でおぼろげながら思い描いているイメージを口にする。