真実(まこと)の愛

「……守永(もりなが)だよ」

……やっぱり。

麻琴の顔がみるみる曇っていく。

「おい、そんな顔するな。
そもそも、君のロハス行きだって、
守永が引っ張ってくれたから実現したんだぜ?」

……えっ、守永さんが?

「渡辺、おれだって大阪支社にいたんだから、君が思うところがあるのはわかるが『仕事』なんだからな。『私情』は挟むなよ?」

「……わかってます」

麻琴は一応、肯いておいた。

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