10歳年下の部下を溺愛しすぎて困ってます
そんな私が伊藤君にだけ冷たくしたら、逆に怪しい?

うー、悩む。

でも自分を守るためだ、多少怪しくてもいいだろう。

そう自分を納得させて寝ようとした私だった。

しかし彼の顔がちらついて、なかなか熟睡できないまま朝になっていた。

思ったより重症らしい。

気づいたのは伊藤君入社の翌朝。

私は皆より10分早く出社することにしている。

その10分で作業能率が、などというと仕事のできるいい女なのだが、残念ながら違う。

のんびりコーヒーを飲むと、緊張がほぐれていい仕事ができる気がするという願掛けみたいなもの。

なので、しないと落ち着かないのだ。

その日も誰もいないはずの会社に出勤した。

「おはようございます。南田主任。」

「わっ。」
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