10歳年下の部下を溺愛しすぎて困ってます
「主任の南田と申します。
これからよろしくお願いします。期待してますね。」

努めて平静を装ったつもりの挨拶だが、自分がどんな表情だったのか…。

緩みまくっていたんじゃないか?

不安しかないまま朝礼が終了した。

もちろん私の頭には内容は入っていない。

後で同期で主任の遠藤にこっそり確認しよう…。

まず伊藤君に社内案内して、仕事教えて…って。

私は彼に普通に接することはできるのか!?

私にとってフェロモンの固まりみたいな若者、襲っちゃうよー?

セクハラで会社辞めさせられるとか嫌。

よし。がんばれ理子。

伊藤君は空気だと思うことにして、顔は見ない。

できるだけ遠くにいよう!

自分の理性を保つためにはそれしかない!

心を決めた私はやっと伊藤君をうっすら見た。

決して直視はしない。

メドゥーサになっちゃうから。

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