最強の暗黒龍は喪女にゾッコン ~VRMMOの裏ボスが子作り前提で求愛してきました~
全身から冷や汗がぶわっと噴き出す感覚。
危うく、手を滑らせてスマホを落としそうになった。
「ヤバイ……ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ!」
「ヒナタ……」
「エヴィさん、早く! 早く隠れてくださいッ」
エヴィエニスの脇を潜り抜けて、私はアワアワと部屋を見回す。
そして、ハッと名案を閃いて寝室に飛び込む。
事態が把握できていないエヴィエニスが、一心不乱に私を廊下から窺っている。
PCとゲーム機、その他諸々を置く関係で、ベッドで塞がれたクローゼット。
物置同然と化したそこを開けて、中に入ってたダンボールや布団、うず高く積んだ漫画や雑誌をさらに奥へと押し込んで、人一人入れるほどのスペースを作った。
「エヴィさん、早くこっちに……!?」