最強の暗黒龍は喪女にゾッコン ~VRMMOの裏ボスが子作り前提で求愛してきました~



 ピンポーン――。


 頭上に「?」を浮かべるエヴィエニスを呼び寄せるのと同時にインターフォンが鳴った。
 その音で、私の体がビクリと撥ねた。 


 来た――。
 一番来て欲しくない人物が来てしまった。
 時間稼ぎのために玄関の鍵はかけたままにしてある。
 しかし、あと2回ベルを鳴らすと、奴は持っている合鍵で玄関を開ける。
 扉が開き、目と目が合う瞬間までが勝負なのだ。

「エヴィさん、ここに隠れてください。私が良いって言うまで、出て来ないで。そして、絶対喋るな。できるなら、息もしないで」

「待て待て、我に死ねと!?」

 エヴィエニスは私の急転直下な心変わりに呆れていた。
 そんな養豚場の豚でも見るような目してないで、クローゼットに入ってくれ。
 呆れるならクローゼットの中でお願いします。
 文句も後でいくらでも聞いてあげるから!
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