最強の暗黒龍は喪女にゾッコン ~VRMMOの裏ボスが子作り前提で求愛してきました~
「弟だよ。ゲームに使うお金があったら、今後のために貯蓄したが利口だって言いたいだけ」
「くッ! 言い返せない自分が口惜しい!」
ギリッと歯軋りしている間に、功一郎が歩き出す。
一直線に向かった先――、ベッドに阻まれたクローゼットの取っ手に手をかけていた。
「うぉおおおおおおッーーーー!! 見ちゃダメェエエエエエッ!!!」
床を蹴って私は跳躍した。床から2、3センチ浮く程度だけだけど……。
ベッドに飛び乗って、功一郎とクローゼットの間に身を滑り込ませた。
両手を広げて、必死に最後の抵抗を試みる。
「何にもいない! 何にもいないったら!」
私は、幼き日に匿った巨大昆虫の子供を庇う某姫姉様に成り切った。
あれ? あのアニメって、この後……。
「3つ数える内に退いてくれるかな? 1、2……」
功一郎の他を威圧する笑顔――、口角は若干吊り上っているが、切れ長の三白眼は一切笑っていない。
その笑顔を見たものは、精神に大きなダメージを追う。
私のガラスハートは砕け、運命に抗う勇気は挫けた。
「サーセン。すぐ退きます」
「どうせ、昔みたいに子犬でも拾って来たんでしょ。隠さなくたって僕は……」
「ヤメテー、コロサナイデー」
怒らないよ――と呟いた功一郎が中身を覗いて、ビシリと硬直した。
「くッ! 言い返せない自分が口惜しい!」
ギリッと歯軋りしている間に、功一郎が歩き出す。
一直線に向かった先――、ベッドに阻まれたクローゼットの取っ手に手をかけていた。
「うぉおおおおおおッーーーー!! 見ちゃダメェエエエエエッ!!!」
床を蹴って私は跳躍した。床から2、3センチ浮く程度だけだけど……。
ベッドに飛び乗って、功一郎とクローゼットの間に身を滑り込ませた。
両手を広げて、必死に最後の抵抗を試みる。
「何にもいない! 何にもいないったら!」
私は、幼き日に匿った巨大昆虫の子供を庇う某姫姉様に成り切った。
あれ? あのアニメって、この後……。
「3つ数える内に退いてくれるかな? 1、2……」
功一郎の他を威圧する笑顔――、口角は若干吊り上っているが、切れ長の三白眼は一切笑っていない。
その笑顔を見たものは、精神に大きなダメージを追う。
私のガラスハートは砕け、運命に抗う勇気は挫けた。
「サーセン。すぐ退きます」
「どうせ、昔みたいに子犬でも拾って来たんでしょ。隠さなくたって僕は……」
「ヤメテー、コロサナイデー」
怒らないよ――と呟いた功一郎が中身を覗いて、ビシリと硬直した。