最強の暗黒龍は喪女にゾッコン ~VRMMOの裏ボスが子作り前提で求愛してきました~
「会社の方針じゃ仕方ないけど。同居人が男で、しかも外国人って、姉さんは大丈夫なの?」
「ヒナタ、我は出て行かなくて良いと言うことか!」
おい、エヴィエニス。なんで今のタイミングで会話に混ざってきた。
茶を濁すな。お後を悪くするな。君は話が済むまで黙ってて、どうぞ。
あ、あれ。でも、これって……。
「しくじったぁー。調子に乗り過ぎた」
「ん? なんか言った?」
「う、ううん! なんでもないよー! ただの独り言ぉ……」
私の馬鹿野郎ッ! 追い出そうとしていたのに、同居する流れにしてどうするんだよ。
私を蚊帳の外にして、功一郎とエヴィエニスの会話が進行する。
「コーイチロー……と言ったか。お前は、ヒナタを大事にしているのだな」
「なんだよ、藪から棒に。言っておくけど、技能実習生だからって姉さんに何かしてみろ。その時は僕が……」
「我には分かる。お前は最弱種族だが、実に良い目をした男だ」
「いや、だから僕は……」
一方的に褒められ、エヴィエニスのペースに乗せられて、功一郎が若干劣勢だ。
あんなにたじろぐ功一郎は、今まで見たことない。恐るべし、暗黒龍の話術。
そんなことはお構いなしのエヴィエニスが、