最強の暗黒龍は喪女にゾッコン ~VRMMOの裏ボスが子作り前提で求愛してきました~
第17話.好感度はLIKE未満だからな!
功一郎が帰った後、私とエヴィエニスは再びテーブルで向かい合っていた。
頻繁に来ると言っていた手前、技能実習生とその身元引受人と言う設定を徹底しなければならない。
そして、3ヶ月間。このはた迷惑なドラゴンに惚れないようにしなければならない。
縛りが多過ぎやしませんかね?
「あれ? 同居人が増える場合って、不動産屋と管理会社に連絡して契約変更しなきゃいけないんだっけ? はあ、どちゃくそ面倒だなぁ」
「最弱種族共は、自らに制約を課し過ぎてはいないか? なぜ、そんなに面倒を増やす?」
「誰のせいで増えた面倒だと思ってるんですかねぇ?」
今週は土曜日までみっちり連勤だ。
契約変更の件は、来週するとしよう。
まずは身近なことからコツコツと、共同生活する上での決め事をせねばなるまい。
「それにしても、疲れた。1日の内容が濃すぎた」
顔をしかめて唸る私を前に、エヴィエニスは足を組んで、それはもう優雅に寛いでいる。
人の気も知らないで、この羽付きオオトカゲめぇ……。
ここがゲームの世界だったら、確実に剣で斬りかかって、首を撥ねてた。
暗黒龍め、まんまと命拾いしたな。
「ねえ、エヴィさん。今からでも向こうの世界に帰る気ありません?」
「ない」
「即答か。こっちの世界は、ドラゴンのエヴィさんには暮らし辛いと思いますよ」