最強の暗黒龍は喪女にゾッコン ~VRMMOの裏ボスが子作り前提で求愛してきました~
こんな感じで、たまに冗談が通じなくなるのが困るよね。
これが天才が見せるポンコツな一面かぁ。
それで、一緒に寝るのか? 寝ないのか? と判断を急かされた。
「絶対、嫌です。思い出しても見てください。私達は敵対し、生死を賭けて戦った関係だったんですよ? そんな相手と仲良く枕を並べて寝たいと思いますか?」
「……確かに、ヒナタの言い分には一理ある。仕方あるまい。許しが出るまで、我はここで寝よう」
へへへ、残念だったな。
君は3ヶ月、ずっとここで寝るんだよ!
背を向けたエヴィエニスの背後で、最高のゲス顔をキメる私。
「日曜日……いえ、3日後には仕事が休みになります。隣近所への挨拶をして、ショッピングモールへ買出しに行きましょう」
「挨拶? 買い物?」
「まあ、その日になってみれば分かりますよ」
勤勉なドラゴンは聞かされる言葉一つ一つに興味津々だが、私は説明を放棄する程に疲れ切っていた。
これじゃ、LOVEどころか、LIKEにも満たない。
私としては好都合だが、エヴィエニスが少々哀れに思えた。